私の友人から、朝、電話があった。その友人は、今は少し離れたところに居るけれど、私の中で心は近くにいる友人・・・・。
と、言うのも、彼女は、私とあまりにも似ている人で、人生も似たような苦労をしていて、彼女は今、まだその渦中でもがき苦しみながら生きている。
「リストカットを息子の前でまた、してしまった・・・・。」
この言葉を聞くたびに、私の胸は張り裂けそうになり、悲しくて、苦しくて、そして、怒りを覚える・・・・。
彼女は、とてもがんばり屋さんな性格で、真面目で、一生懸命生きている。しかし、色々なことがあり、離婚して、今は、実家に帰っている。彼女の話を聞いていて、常に感じるのは、本当は、生きたいのか、死にたいのかどっちなのか、わからない・・・・。きっと、この経験をしたことがない人には、そう写るだろう・・・。
息子のために、生きていたいし、将来のことを考えると、うつ病の薬をのんで、一日中寝たきりになっていると、どんどん不安になるらしい・・・。それは、私も経験しているので、本当に痛切に言っていることがわかった。
癌、離婚、そしてうつ病・・・・。ベットの上で寝たきりになって、ご飯も食べれなく、眠れなく、生きていたいのか、死んでいきたいのかもわからず、頭の中は、
「癌が再発してもう、死んでしまったほうがいい・・・。」
「娘がいるから、どんな状態でも、生きていてあげたい・・・・。」
「私が至らないから、主人は他に好きな人が出来てしまったんだ・・・・。」
「私のせいで、娘の大好きなパパが去っていってしまったんだ・・・・。」
「私は、生きていても、死んでいても、誰からも愛されるわけがなく、幼い頃からの自殺願望が一生付きまとうだけ・・・・。」
そんないろいろな感情がずっと片時も休まることなく、ただただ、ずっと終わらない、映画のように、私の中を流れていた・・・・。
ただ、一点を見つめて、眼球すら動かず、瞬きもほとんどせず、指先も動かず、気が付けば、5~6時間たっていることが、何ヶ月も続いた・・・・。端から見れば、完全に魂を抜かれた状態だった・・・・。
その友人の話を聞いて、私は言った。
「あんたが生きてるだけで、いいから・・・・。寝たきりでなんにも出来なくていいから・・・・。息子と私とあんたの家族は、それだけでいいって、心の底から思ってるねん!!!あんたが自分の手首を切る度に、あんたが傷つく度に、うちらの胸は張り裂けそうになって、息ができないくらい、辛いねん!!!あんただけが、辛いんじゃないねん!!!お願いやから、生きてるだけでいいから・・・・・・。なんにもがんばらんでいいから・・・・・。生きて!!」
私と友人は、電話越しに泣き崩れた・・・・。
最後に、「元気になって、会いに来て・・・・。それまで、手首の傷が目立たなくなっててな・・・・。もう、新しい傷は、つけんとってや・・・・。」と言った。
彼女は、泣きながら何度も、何度も、「ありがとう・・・・。ありがとう・・・・。ありがとう・・・・。」と、言いながら、電話を切った。
今、私は元気になってこれだけは、言える。「生きててよかった・・・・。」
だから、友人にも、必ず生き抜いてほしい。そして、年間約3万人いる自殺者が、一人でも減って、生き抜いて、私のように、「あの時、死ななくてよかった・・・・。生きててよかった・・・・。」と、思えるピカピカな、幸せな人生を感じてほしい・・・・。心の底から、あらためてそう祈る、一日の始まりでした。