福岡空港から、羽田空港へ。
そして、偶然に鎌倉花火大会へ!
ぎりぎり30分だけ、美しく力強い花火を見ながら、
胸にこみ上げてくる、いろいろな思い出がフラッシュバックし、
無言でしばらく眺めていた。
もう、鎌倉花火大会を何回見たんだろう・・・。
初めて鎌倉へ来たのは、高校3年生のとき。
もう、20年以上も前のことだから人っ子一人生まれて成人しちゃうくらい
昔の話だけど・・・。
好きな人ができて、その人は鎌倉に住むプロのウインドサーファーだった。
その頃の私は、生きる意味が見いだせず、心を閉ざしていた。
それは、親友が飛び降り自殺をし、17歳の命が終わったからだった。
彼女は亡くなる3日前に、「必ず、関西外大に受かってね。」と、
私にお守りを渡した。その後、遺言通り、彼女と一緒に行きたかった大学に合格し、
その後、まるで私の人生ももう何かをやり遂げ、終わったかのように感じた。
うつ病・・・。
当時、その言葉も知れ渡っていない病気に、彼女と私は苦しんでいた。
2人の共通はDV環境。
一番愛されたい親に、憎しみをもつ似たもの同志の私たちだった。
「本当は、私が先に死んでたらよかったのに・・・。」
何度も自分を責めては、苦しんだ。
そんなときに、鎌倉の彼と知り合った。
彼と出会ったのは私の人生での転機で、
薬をたくさん飲んでは、泣いてる私に、「そんなもん飲むな!海につかってこい!」と、
寒い冬に言った。
それからウインドサーフィンをしている彼を岸で待つ私から、
薬を飲まないで海につかる私になっていた。
「な!うまいだろ?食べ物は大地に近ければ近いほど、うまいんだ!」と、
本当の食の味を教えてくれたり、
「大自然にくらべりゃ、俺たちなんてちっぽけなもんだよ。
金も、ブランドもんも、地位もすべて、この波にまかれちゃおしまいだよ。
無言で人生なめてる自分を叱ってくれる。」
と、私が知らなかった哲学をウインドサーフィンと共に教えてくれた。
そんな彼と6年共に過ごし、大学卒業後 結婚の話も出た。
別れた理由は、歌手になったこと。
芸能界や人前に出る仕事を極端に嫌う彼、
それを知っていたけど、私は彼ではなく歌の道を選択した。
鎌倉の花火大会。
今年も一人でただボーと、眺めていた・・・。